WEB総合検査案内 掲載内容は、2025 年 4 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
15028 |
HIT抗体 (血小板第4因子-ヘパリン複合体抗体)[出血凝固検査]platelet factor4-heparin complex antibody-IgG, IgM, IgA5G530-0000-022-062 |
遠心
|
15 ↓
02 |
2週 凍 |
ラテックス凝集法 | U/mL 1.0 未満 |
390 D011 10 免疫 |
2~3日 |
項目 コード |
検査項目 |
---|---|
15028 |
HIT抗体 (血小板第4因子-ヘパリン複合体抗体)[出血凝固検査]platelet factor4-heparin complex antibody-IgG, IgM, IgA5G530-0000-022-062 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
15 ↓
02 |
2週 凍 |
ラテックス凝集法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
U/mL 1.0 未満 |
390 D011 10 免疫 |
2~3日 |
備考
検体
- 血清は検査不可。
- 検体提出(容器番号 02番)は、4mL容器をご使用ください。
- 3.2%クエン酸ナトリウム液0.2mL入り容器に血液1.8mLを正確に入れ、全量2.0mLにしてよく混和後、1,500×g、15分間遠心分離し、血漿を凍結してご提出ください(遠心力の換算表チャート、およびCLSI/NCCLSドキュメントH21-A5参照)。
- チャート参照:出血凝固検査において、多項目同時依頼の際の必要血漿量は、[0.40 + (0.10 x 依頼項目数)]mLが目安となります。
報告
- HIT抗体(IgG、IgMおよびIgA)を測定し、その濃度をご報告しますが、免疫グロブリンの各クラス別の濃度報告は行いません。
診療報酬
- 保険名称:免疫血液学的検査/血小板第4因子-ヘパリン複合体抗体(IgG、IgM及びIgA抗体)
- 実施料:390
- 診療報酬区分:D011 10
- 判断料区分:免疫学的検査
ヘパリン起因性血小板減少症の診断を目的として測定した場合に算定できます。
チャート


容器
参考文献
阪田敏幸: 医学と薬学 68, (3), 547, 2012.
宮田茂樹: 日本検査血液学会雑誌 12, (1), 60, 2011.
検査項目解説
臨床的意義
抗凝固薬ヘパリン投与で惹起される血小板減少症の診断マーカー。陽性の場合、ヘパリン使用は禁忌とされる。
ヘパリン起因性血小板減少症(Heparin-induced thrombocytopenia:HIT)は治療目的で投与されたヘパリンにより惹起される重篤な副作用の一つである。
ヘパリンは血栓症に対する抗凝固療法や血液透析患者に投与されるが、血中で血小板第4因子(PF4)がヘパリンと結合し、複合体を形成してしまう場合がある。この複合体形成時に、PF4の構造変化が引き金となり、PF4/ヘパリン複合体に対する抗体が産生される。さらに、この複合体が、血小板や血管内皮細胞を活性化し、血小板減少や血栓を引き起こすという一連の流れがHITの発症機序とされている。
HITの発症率はヘパリン投与患者の0.5~5%とされ、発症すると血小板数が投与前より30~50%低下するといわれている。適切な治療を施さないと発症後30日以内に約50%の患者が血栓塞栓症を合併し、そのうちの約5%が死に至る。このため本症を疑った場合は迅速な対応が要求される。
HITの診断には、血小板機能検査や4T’sスコアリングシステム*を用いた臨床診断を用い総合的に評価することが重要であるが、HIT抗体を診断補助として検査することで、より正確にHITの診断が可能になると考えられる。
国内でも2006年4月に 注射用ヘパリンの添付文書が改訂され、副作用としてHITが追加された。HIT の既往がある患者には、ヘパリン投与が原則禁忌となっている。
*4T’sスコアリングシステム
血小板の減少(Thrombocytopenia)、ヘパリン投与から発症までの日数(Timing of platelet count fall)、血栓症や続発症(Thrombosis or other sequelae)、他の血小板減少の要因(other cause for Thrombocytopenia)から成る、Tで始まる4つの所見に点数を付け、合計点でHITの臨床診断を行う基準。最高は8点であり、点数が高いほどHITの可能性は高まる。
【高値を示す疾患】
ヘパリン起因性血小板減少症
関連疾患
D69.5.1:ヘパリン起因性血小板減少症 → D65-D69:凝固障害
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.