WEB総合検査案内 掲載内容は、2025 年 4 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
35026 |
MRSAスクリーニング 〈スワブ〉methicillin-resistant Staphylococcus aureus, identification6B050-0000-063-750 |
|
※ |
冷蔵 |
培養・同定 | 4~6日 |
項目 コード |
検査項目 |
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35026 |
MRSAスクリーニング 〈スワブ〉methicillin-resistant Staphylococcus aureus, identification6B050-0000-063-750 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
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※ |
冷蔵 |
培養・同定 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
4~6日 |
備考
容器
- ※容器 チャート参照
方法
- Clinical microbiology procedures handbook/ Manual of clinical microbiologyに準拠。
チャート

参考文献
CLSI: Performance Standards for Antimicrobial Susceptibility Testing.
検査項目解説
臨床的意義
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が抗菌薬への耐性を獲得したもので、メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)という。MRSAの拡大阻止のためにも院内感染対策が求められる。
代表的なグラム陽性球菌である黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は、各種の化膿性疾患、肺炎、食中毒、敗血症の原因菌である。基本的にブドウ球菌は、ペニシリン系、セフェム系などβ-ラクタム環を持つ抗生剤に感受性を示す。しかし1980年代初頭より、これらに耐性を獲得したメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)が出現、国内に広く分布するに至った。現在、患者から検出される黄色ブドウ球菌の半数近く(施設によっては過半数)がMRSAとなっている。
MRSAは、本邦の代表的な院内感染原因菌として注目を集めるに至っている。いわば免疫能が低下した患者を巨大な培地としてMRSAは増殖し、医療スタッフの不十分な手洗いや、菌を含んだ喀痰などの飛散を介して、周囲に伝播される。さらに1990年頃からは、市中獲得MRSAと呼ばれる病院外のMRSA保菌者が増加し、これらの人々が入院することで、周囲の免疫能低下患者に感染を広げる恐れが指摘されている。
MRSAの場合、菌の検出イコール感染症の発生を意味するものではない。MRSAは弱毒菌であるため、先に述べたように、健常保菌者がかなりの割合で存在する。したがって検出された場合には、単なる菌の定着(colonization)である可能性も考慮し、実際に菌が検出された部位に炎症が起こっている事を確認してはじめてMRSA感染症とすべきである。一方、免疫能が低下しているcompromised hostでは、MRSAが術後感染症や、敗血症、骨髄炎、心内膜炎、膿胸、腸炎、肺炎、気管支炎など種々の重症感染症を引き起こす。このため、免疫能が低下した者を、いかにしてMRSAの接触から回避させるかが、院内感染対策の要となる。
MRSAの薬剤耐性は、本菌に特徴的なペニシリン結合蛋白(Penicillin Binding Protein:PBP)によりもたらされる。β-ラクタム系抗生剤は、細菌が細胞壁を作る際必要な細胞壁合成酵素群と特異的に結合し、壁合成を阻害することで抗菌力を発揮する。PBPはこの酵素群の一種で、通常の黄色ブドウ球菌はPBP1~4を持っているが、MRSAではこのほかにPBP2'という酵素をもつ。PBP2'の名称は、分子量がPBP1と2の中間であることに由来する。厄介なことにPBP2'は、PBP1~4よりもβ-ラクタム系抗生剤との親和性が低く、また抗生剤の濃度に比例して産生されるという特性をもつ。このため、たとえβ-ラクタム系抗生剤が存在しても、MRSAの細胞壁合成はPBP2'のおかげで支障なく行われる結果となり、増殖が可能となる。
【陽性を示す疾患】
MRSA感染症
関連疾患
U82.1.6:MRSA感染症 → U82-U85:抗菌薬耐性疾患
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.