WEB総合検査案内 掲載内容は、2025 年 4 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
07366 |
HBVプレコア/コアプロモーター変異検出hepatitis B virus-preC/Core promotor5F037-1440-023-849 |
単独検体開栓厳禁
遠心
|
指定容器 97 |
凍 |
PCR-ミニシークエンス法/特異プローブ法 | 450 D023 16 微生 |
3~6日 |
項目 コード |
検査項目 |
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07366 |
HBVプレコア/コアプロモーター変異検出hepatitis B virus-preC/Core promotor5F037-1440-023-849 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
単独検体開栓厳禁
遠心
|
指定容器 97 |
凍 |
PCR-ミニシークエンス法/特異プローブ法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
450 D023 16 微生 |
3~6日 |
備考
項目
- [報告成分]
HBV-DNA検出、プレコア判定、プレコア変異型比率、コアプロモーター判定
検体
- 必ず遺伝子検査の専用検体としてご提出ください(同一検体で病原体核酸検査以外の項目との重複依頼は避けてください)。
- コンタミネーション防止などのため、検体採取後は容器を開栓しないでください。
- 低ウイルス量(おおむね2.5Log IU/mL未満)の検体では、試薬の特性上、安定した判定結果を得られない場合があります。
診療報酬
- 保険名称:微生物核酸同定・定量検査/HBV核酸プレコア変異及びコアプロモーター変異検出
- 実施料:450
- 診療報酬区分:D023 16
- 判断料区分:微生物学的検査
B型急性肝炎患者に対しては、劇症肝炎が疑われる場合に1回のみ算定できます。
B型慢性肝炎患者に対しては、経過観察中にALT異常値などにより肝炎増悪が疑われ、かつ、抗ウイルス薬等のB型肝炎治療薬の投与対象患者の選択のために行われた場合に限り算定できます。
本検査実施以降は[D013]肝炎ウイルス関連検査のうちB型肝炎に関する検査(抗ウイルス薬等のB型肝炎治療薬の治療効果判定に用いる検査を除く。)は、算定できません。
容器
参考文献
松山和弘, 他: 肝胆膵 41, 59, 2000.
検査項目解説
臨床的意義
劇症型に移行しやすい遺伝子変異を持ったB型肝炎ウイルスを同定する検査。
B型肝炎ウイルス(HBV)はヘパドナウイルス科に属し、約3,200の塩基対からなる、環状不完全2本鎖DNAウイルスである。そのDNAにはHBs抗原などのenvelopeタンパクをコードするpre-S/S領域、Hbe抗原などの nucleocapsid関連タンパクをコードするprecore-core領域、DNAポリメラーゼをコードするP領域、転写活性を調節する機能をもつX領域の4つのDNA塩基配列転写解読枠(open reading frame:OLF)が存在する。
HBVには、RNAウイルスにみられるような変異を認める場合がある。すなわちHBVは、増殖時にRNAからDNAへの逆転写プロセスを介するが、この際プレコア領域、コアプロモーター領域などに変異が生ずる。
このうちプレコア領域では83番目の塩基であるnt1896(nt: base nucleotide)において、G(グアニン)→A(アデニン)への変異がみられ、プレコア領域の28番目のコドンがTGG (Trp)からTAG (stop codon)に変化する。その結果、Hbe抗原前駆体タンパクの翻訳が途中で中断され、e抗原の分泌がストップする。
一方、コアプロモーター領域では、nt1762の塩基がA→T(チミン)に、nt1764がG→Aとなる変異が知られており、転写因子の結合が阻害されるため、プロモーター活性に影響を受ける。
つまりプレコア領域の変異はHbe抗原タンパクの翻訳レベルでの障害、コアプロモーター領域の変異は転写レベルでの障害として、Hbe抗原の産生低下に関与している。B型肝炎の重症化や劇症化には、これらの変異と深い関連があるとされる。
本検査の臨床的意義は、B型肝炎の劇症化と組織障害進行の予測にある。