WEB総合検査案内 掲載内容は、2025 年 4 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
26054 |
抗ARS抗体anti-ARS antibody5G121-0000-023-023 |
遠心
|
01 |
18日 冷蔵 |
EIA | 陰性(-) |
包括190 D014 22 免疫 |
3~9日 |
項目 コード |
検査項目 |
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26054 |
抗ARS抗体anti-ARS antibody5G121-0000-023-023 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 |
18日 冷蔵 |
EIA |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
陰性(-) |
包括190 D014 22 免疫 |
3~9日 |
診療報酬
- 保険名称:自己抗体検査/抗ARS抗体
- 実施料:包括190
- 診療報酬区分:D014 22
- 判断料区分:免疫学的検査
「抗ARS抗体」と「抗Jo-1抗体」を併せて実施した場合は主たるもののみ算定できます。
参考文献
吉藤 元: 医学のあゆみ 239, (1), 71, 2011.
検査項目解説
臨床的意義
骨格筋に特異的な自己抗体8種のうち、5種類を網羅的に測定する検査。抗Jo-1抗体を含み、多発性筋炎、皮膚筋炎の25~30%で陽性。
多発性筋炎(polymyositis:PM)は自己免疫疾患の一種で、主に体幹や四肢の近位筋(大腿、上腕など)を中心に、慢性に進行する筋力低下と筋委縮を来す難病である。PMに皮疹を伴う病態を特に皮膚筋炎(dermatomyositis:DM)と呼ぶ。わが国の統計では全国に約17,000人のPM/DM患者がおり、男女比は約1:3で、中年以降の女性に多い疾患である。
PM/DMに認められる自己抗体としては、筋炎特異的自己抗体(myositis-specific autoantibodies:MSA)と、他の自己免疫疾患でもみられる筋炎関連自己抗体(myositis-associated autoantibodies:MAA)が知られている。
このうちMSAには多くの種類があり、本項目である抗アミノアシルtRNA合成酵素(ARS)抗体はそのうちの1つである。
ARSとは、アミノ酸とそれに対するtRNAの結合を触媒する酵素群であり、各々のアミノ酸に対し計約20種類のARSが知られている。PM/DMの少なくとも一部では、このARSに対する自己抗体が産生される。古くからPM/DMの血中マーカーとして知られる抗Jo-1抗体は、ヒスチジルtRNA合成酵素を認識する抗体であり、抗ARS抗体の一種と考えることができる。
抗ARS抗体陽性患者では、抗合成酵素抗体症候群(anti-synthetase syndrome:ASS)あるいは抗ARS抗体症候群という、特徴的な症候群を呈する。すなわち、筋炎のほか間質性肺炎を高率に合併し、慢性化しやすいことでも知られ、レイノー現象や多発関節炎、手指の特異的な変形を伴うなど特徴的な身体的症状が報告されている。
現在、抗ARS抗体には8種類が知られており、本検査はEIA法によりそのうち5種類、すなわち抗Jo-1、抗PL-7、抗PL-12、抗EJ、抗KS抗体を網羅的に検出するものである。個々の抗体を個別に定量することはできない。残りの3つの抗体である抗OJ、抗Ha(抗YRS)、抗Zo抗体は報告例がほとんどないなどの理由で、本検査には含まれていない。
PM/DM患者の約25~30%に抗ARS抗体が認められるといわれ、抗Jo-1抗体より広範囲にわたる多発性筋炎、皮膚筋炎の診断に有用と考えられている。
【陽性を示す疾患】
多発性筋炎,皮膚筋炎
関連疾患
M33.2.1:多発性筋炎 → M30-M36:全身性結合組織疾患
M33.9.1:皮膚筋炎 → M30-M36:全身性結合組織疾患
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.