WEB総合検査案内 掲載内容は、2025 年 4 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
27165 |
ADAMTS13インヒビター定量ADAMTS13 inhibitor2B496-0000-022-311 |
遠心
|
15 ↓
02 |
3カ月 凍 |
Bethesda法 | BU/mL 0.5 未満 |
1000 D006 35 血液 |
3~5日 |
項目 コード |
検査項目 |
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27165 |
ADAMTS13インヒビター定量ADAMTS13 inhibitor2B496-0000-022-311 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
15 ↓
02 |
3カ月 凍 |
Bethesda法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
BU/mL 0.5 未満 |
1000 D006 35 血液 |
3~5日 |
備考
検体
- 必ず血漿分離の上、ご提出ください。
- 検体提出(容器番号 02番)は、4mL容器をご使用ください。
- 3.2%クエン酸ナトリウム液0.2mL入り容器に血液1.8mLを正確に入れ、全量2.0mLにしてよく混和後、1,500×g、15分間遠心分離し、血漿を凍結してご提出ください(遠心力の換算表チャート、およびCLSI/NCCLSドキュメントH21-A5参照)。
診療報酬
- 保険名称:出血・凝固検査/ADAMTS13インヒビター
- 実施料:1000
- 診療報酬区分:D006 35
- 判断料区分:血液学的検査
ADAMTS13活性の著減を示す患者に対して、血栓性血小板減少性紫斑病の診断補助を目的として測定した場合またはその再発を疑い測定した場合に算定できます。
血栓性血小板減少性紫斑病と診断された患者またはその再発が認められた患者に対して、診断した日または再発を確認した日から起算して1月以内の場合には、1週間に1回に限り別に算定できます。なお、血栓性血小板減少性紫斑病と診断した日付またはその再発を確認した日付を、診療報酬明細書の摘要欄に記載するが必要があります。
チャート

容器
参考文献
Kato, S. et al.: Transfusion 46, 1444, 2006.
検査項目解説
臨床的意義
止血因子であるフォンウィルブランド因子を特異的に切断する酵素。活性低下で血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)となる。
ADAMTS13(a disintegrin-like and metalloproteinase with thrombospondine type 1motifs 13)は、フォンウィルブランド因子(vWF)のA2領域における特定部位[tyr(1605)/met(1606)]結合を切断するタンパク融解酵素であり、活性中心に亜鉛分子をもつメタロプロテアーゼである。
vWFは血漿に存在する糖タンパクであり、血管壁の損傷により露出したコラーゲンや、血小板表面の受容体タンパク質と結合することで、血小板凝集を進める作用を持つ。血管内皮細胞や骨髄巨核球で産生されたvWFは、2,050個のアミノ酸(分子量270,000)からなるが、できた直後は互いに重合したマルチマーであり、20,000,000にものぼる巨大な分子構造をしている。マルチマーの形では凝集活性が強いため、血小板凝集を起こしやすい。ADAMTS13は、マルチマーを分解する作用をもつため、適正量のVWFが血中に放出され、適度に抑制された止血機能が維持されている。
しかし、何らかの原因でADAMTS13活性が低下すると、血液中に過剰のvWFが蓄積する。このため血小板凝集による血栓を起こし易くなり、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP:thrombotic thrombocytopenic purpura)を発症する。
ADAMTS13活性が低下する原因には、先天的なものとしてADAMTS13遺伝子の変異が、後天的なものとしては自己抗体(インヒビター)の産生によるものとがある。ADAMTS13遺伝子の変異はUpshaw-Schulman症候群という名で知られているが、極めて稀である。インヒビターはADAMTS13活性を阻害するため、超高分子VWFの血中蓄積を招き、微小血管における血小板の過剰な凝集を引き起こす。
TTPは妊娠、SLEなどの膠原病、悪性腫瘍、シクロスポリンなどの薬剤、HIV感染などに随伴してみられる。血小板減少を来すが血小板補充は病状を悪化させるため行ってはならず、血漿交換が推奨される。同様に重大な血栓症を招来するHUS(溶血性尿毒症症候群)とTTPは関連性が論じられるが、HUSに比し発症年齢が高い特徴をもつ。
[活性値が低下またはインヒビターが陽性となる病態]
血栓性微小血管障害症(TMA)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
【高値を示す疾患】
血栓性血小板減少性紫斑病
関連疾患
M31.1.1:血栓性血小板減少性紫斑病 → M30-M36:全身性結合組織疾患
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.