WEB総合検査案内 掲載内容は、2025 年 4 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
01015 |
乳癌HER2/neu 《IHC法》HER2/neu protein5D590-0000-075-666 5D590-0000-075-666 |
または
|
20
|
常温
常温 |
免疫組織化学染色 | 690 N002 3 病理 |
6~10日 |
項目 コード |
検査項目 |
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01015 |
乳癌HER2/neu 《IHC法》HER2/neu protein5D590-0000-075-666 5D590-0000-075-666 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
または
|
20
|
常温
常温 |
免疫組織化学染色 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
690 N002 3 病理 |
6~10日 |
備考
診療報酬
- 保険名称:免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製/HER2タンパク
- 実施料:690
- 診療報酬区分:N002 3
- 判断料区分:病理学的検査料
チャート

参考文献
Jacobs, T. W. et al.: J. Clin. Oncol. 17, 1983, 1999.
Espinoza, F. and Anguiano, A.: J. Clin. Oncol. 17, 2293, 1999.
検査項目解説
臨床的意義
乳癌の治療薬トラスツズマブ(ハーセプチン)の効果を推定する検査。
HER2とは、Human Epidermal Growth Factor Receptor 2(ヒト上皮成長因子受容体2)と呼ばれるタンパク質の略称である。癌遺伝子のひとつ、c-erbB-2(erytroblastosis cellular oncogen-2)の産物であるため、ErbB-2蛋白とも呼ばれている。ヒトの場合、染色体17q21にその遺伝子は存在する。
HER2蛋白は、細胞膜を貫通する形で存在する受容体蛋白である。HER2の細胞外部分に特異的な増殖因子が結合すると、チロシン残基のリン酸化によって活性化され、p21/rasを経たシグナル伝達系を介して細胞の分裂増殖が開始される。すなわち、HER2は細胞の増殖に深く関与しているため、HER2の過剰発現は一般に予後不良を示唆する。
トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン(R))は、このような癌遺伝子の知見を応用した抗癌剤であり、HER2蛋白を標的としたヒト化モノクローナル抗体である。1998年、米国FDAにより世界で初めて認可されたトラスツズマブは、乳癌、とりわけHER2蛋白が過剰発現した転移性乳癌で、単剤使用または化学療法などと併用され、効果が認められている。
HER2蛋白をターゲットとしている以上、HER2の発現がない癌でトラスツズマブの治療効果は期待し難く、HER2の発現度は、トラスツズマブの治療効果を推定する指標となり得る。我が国でのトラスツズマブの使用は、HER2過剰発現が確認された転移性乳癌(IV期乳癌および肝・骨・肺などの再発乳癌)で承認されている。
実施の際には10%中性緩衝ホルマリンによる固定後48時間以内の組織を用い、HE染色に隣接した組織切片を選ぶ。未染色のスライドは6週間以内に染色することが望ましい。
なお、HER2の発現を、本法とDNAレベルで遺伝子増幅を検査するFISH法(弊社受託可)で比較した場合、両者が乖離する症例が報告されている。FISH法陽性の場合、トラスツズマブの効果は比較的良好であるが、IHC法陽性でもFISH法が陰性の場合、一般的にトラスツズマブの効果は期待し難いとされている。
【主に用いられる疾患】
乳癌
関連疾患
C50.9.8:乳癌 → C50-C50:乳癌
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.