WEB総合検査案内 掲載内容は、2025 年 4 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
02303 |
乳癌HER2/neu 《FISH法》ERBB2 (erb-b2 receptor tyrosine kinase 2)8C053-9941-075-841 8C053-9941-075-841 |
または
|
20
|
常温
常温 |
FISH法 | 2700 N005 1 病理 |
9~13日 |
項目 コード |
検査項目 |
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02303 |
乳癌HER2/neu 《FISH法》ERBB2 (erb-b2 receptor tyrosine kinase 2)8C053-9941-075-841 8C053-9941-075-841 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
または
|
20
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常温
常温 |
FISH法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
2700 N005 1 病理 |
9~13日 |
備考
診療報酬
- 保険名称:HER2遺伝子標本作製/単独の場合
- 実施料:2700
- 診療報酬区分:N005 1
- 判断料区分:病理学的検査料
抗HER2ヒト化モノクローナル抗体抗悪性腫瘍剤の投与の適応を判断するために遺伝子増幅標本作製を行った場合に、当該抗悪性腫瘍剤の投与方針の決定までの間に1回を限度として算定できます。
HER2タンパクの免疫染色(免疫抗体法)病理組織標本作製を併せて行った場合には、3050点を算定できます。
チャート

参考文献
Persons, D. L. et al.: Ann. Clin. Lab. Sci. 30, 41, 2000.
検査項目解説
臨床的意義
乳癌の治療薬トラスツズマブ(ハーセプチン)の効果を推定する検査。
HER2とは、Human Epidermal Growth Factor Receptor 2(ヒト上皮成長因子受容体2)と呼ばれるタンパク質の略称である。癌遺伝子のひとつ、c-erbB-2(erytroblastosis cellular oncogen-2)の産物であるため、ErbB-2蛋白とも呼ばれている。ヒトの場合、染色体17q21にその遺伝子は存在する。
HER2蛋白は、細胞膜を貫通する形で存在する受容体蛋白である。HER2の細胞外部分に特異的な増殖因子が結合すると、チロシン残基のリン酸化によって活性化され、p21/rasを経たシグナル伝達系を介して細胞の分裂増殖が開始される。すなわち、HER2は細胞の増殖に深く関与しているため、HER2の過剰発現は一般に予後不良を示唆する。
トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン(R))は、このような癌遺伝子の知見を応用した抗癌剤であり、HER2蛋白を標的としたヒト化モノクローナル抗体である。1998年、米国FDAにより世界で初めて認可されたトラスツズマブは、乳癌、とりわけHER2蛋白が過剰発現した転移性乳癌で、単剤使用または化学療法などと併用され、効果が認められている。
HER2蛋白をターゲットとしている以上、HER2の発現がない癌でトラスツズマブの治療効果は期待し難く、HER2の発現度は、トラスツズマブの治療効果を推定する指標となり得る。我が国でのトラスツズマブの使用は、HER2過剰発現が確認された転移性乳癌(IV期乳癌および肝・骨・肺などの再発乳癌)で承認されている。
実施の際には10%中性緩衝ホルマリンによる固定後48時間以内の組織を用い、HE染色に隣接した組織切片を選ぶ。未染色のスライドは6週間以内に染色することが望ましい。
なお、HER2の発現を、本法とDNAレベルで遺伝子増幅を検査するFISH法(弊社受託可)で比較した場合、両者が乖離する症例が報告されている。FISH法陽性の場合、トラスツズマブの効果は比較的良好であるが、IHC法陽性でもFISH法が陰性の場合、一般的にトラスツズマブの効果は期待し難いとされている。
【主に用いられる疾患】
乳癌
関連疾患
C50.9.8:乳癌 → C50-C50:乳癌
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.