WEB総合検査案内 掲載内容は、2025 年 6 月 2 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
05007 |
TARCthymus and activation-regulated chemokine5J228-0000-023-052 |
遠心
|
01 |
1カ月 冷蔵 |
CLEIA | pg/mL 小児(6~12ヶ月未満) 1367 未満 |
184 D015 19 免疫 |
2~3日 |
項目 コード |
検査項目 |
---|---|
05007 |
TARCthymus and activation-regulated chemokine5J228-0000-023-052 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
01 |
1カ月 冷蔵 |
CLEIA |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
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pg/mL 小児(6~12ヶ月未満) 1367 未満 |
184 D015 19 免疫 |
2~3日 |
備考
項目
- ビオチンの影響については、ご利用の手引き「13.検査材料に関するご参考情報」のページをご参照ください。
基準
- 中等症以上のアトピー性皮膚炎の目安は、成人700pg/mL以上、小児(2歳以上)760pg/mL以上です。
診療報酬
- 保険名称:血漿蛋白免疫学的検査/TARC
- 実施料:184
- 診療報酬区分:D015 19
- 判断料区分:免疫学的検査
アトピー性皮膚炎の重症度評価の補助を目的として測定する場合は、月1回を限度として算定が可能です。
本検査と「SCCA2」を同一月中に併せて行った場合は、主たるもののみ算定できます。
参考文献
石田俊雄, 他: 医学と薬学 58, 901, 2007.
藤澤隆夫, 他: 日本小児アレルギー学会誌 19, 744, 2005.
玉置邦彦, 他: 日本皮膚科学会雑誌 116, 27, 2006.
Sugawara, N. et al.: Allergy 57, 180, 2002.
検査項目解説
臨床的意義
アトピー性皮膚炎の病勢を反映するケモカイン。重症度の把握に有用。
炎症や免疫応答において、白血球の遊走や組織への浸潤は、生体防御機構の一環として捉えることができるが、このような反応を誘導する物質として注目されるのがケモカインである。TARC(thymus and activation-regulated chemokine) は、このケモカインの一種で、CCL17とも呼ばれ、分子量8,000~14,000の分泌型低分子タンパク質である。
アトピー性皮膚炎(AD)は、増悪・寛解を繰り返す掻痒のある湿疹を主病変とする疾患である。TARCはADにおいて、その受容体であるCCR4を特異的に発現するリンパ球、Th2細胞の浸潤に大きな役割を担っている。すなわちAD患者では、皮膚の表皮角化細胞や末梢血のリンパ球において、TARCの産生が亢進している。さらに、CCR4を発現したTh2細胞を皮膚へと遊走させることで、いっそうの病態悪化をもたらすと考えられている。
TARCに関する多施設臨床研究によれば、血中のTARC濃度は、AD患者の皮疹の範囲や程度(SCORAD)とよく相関する。従来指標として用いられてきた非特異的IgE値や好酸球数、LDH値と比べ感度が高く、重症症例での上昇幅が大きいという。なお、基準範囲は小児と成人で異なるため、一覧表を参照されたい。
日本皮膚科学会によるアトピー性皮膚炎診療ガイドライン(日皮会誌、2008年)によれば、AD診断は掻痒症状や特徴的皮疹の分布、臨床経過を含め総合的に診断されるべきとされるが、TARCは客観的な診断指標として有用性が評価されつつある。
なお、TARCは比較的特異性の高いADのマーカーとされるが、自己免疫性疾患である水疱性類天疱瘡やリンパ腫の一つである菌状息肉症でも上昇することが報告されている。
【高値を示す疾患】
菌状息肉症,水疱性類天疱瘡,アトピー性皮膚炎
関連疾患
C84.0.1:菌状息肉症 → C81-C96:リンパ組織・造血器腫瘍
L12.0.1:水疱性類天疱瘡 → L10-L14:水疱症
L20.9.3:アトピー性皮膚炎 → L20-L30:皮膚炎・湿疹
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.