WEB総合検査案内 掲載内容は、2025 年 4 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 有効治療濃度 採血時期 |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
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25787 |
エベロリムスeverolimus3M815-0000-019-053 |
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指定容器
07 |
7日 冷蔵 |
ECLIA | ng/mL 免疫抑制剤としてシクロスポリンと |
管理料[470] B001 2イ |
2~3日 |
項目 コード |
検査項目 |
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25787 |
エベロリムスeverolimus3M815-0000-019-053 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
|
指定容器
07 |
7日 冷蔵 |
ECLIA |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
ng/mL 免疫抑制剤としてシクロスポリンと |
管理料[470] B001 2イ |
2~3日 |
備考
項目
- シロリムス投与歴がある患者検体は検査不可。
検体
- 専用採血管に規定量を採血し、必要検体量をご提出ください。
算定
- チャート参照:特定薬剤治療管理料
参考
- 主な商品名:サーティカン、アフィニトール
「薬毒物検査」分野共通の特記事項
- [ご注意]血中薬物検査をご依頼の際は、分離剤入り採血管は使用しないでください(測定値が分離剤の影響を受ける場合があります)。
診療報酬
- 保険名称:特定疾患治療管理料/特定薬剤治療管理料1
- 実施料:管理料[470]
- 診療報酬区分:B001 2イ
チャート

参考文献
小谷一夫: 今日の移植 26, (6), 505, 2013.
検査項目解説
臨床的意義
心・腎臓などの臓器移植に用いられる免疫抑制剤。抗癌剤として用いられる場合もある。
1.作用
エベロリムス(商品名:サーティカン(R))は、2007年1月に心移植、2011年 12月に腎移植に対する拒絶反応の抑制の効能が国内承認された免疫抑制剤である。
本剤にはアフィニトールRという商品名で、前述のサーティカンRと含有量が異なる製剤が発売されており、こちらは腎細胞がん、乳がん、膵神経内分泌腫瘍などの抗がん剤として承認されている。
免疫抑制剤としてのエベロリムス(商品名:サーティカン(R))は、生体に投与されると細胞内結合タンパクであるFKBP-12(FK-506binding protein-12)と複合体を形成する。さらに、細胞周期におけるG1期からS期への誘導に関与する調節タンパクmTOR(mammalian target of rapamycin)に結合し、細胞増殖シグナルを阻害する。mTORの下流にはp70S6キナーゼが存在し、細胞増殖シグナルが伝達されることによりp70S6キナーゼがリン酸化を受け、細胞増殖が促進されるが、エベロリムスは、このリン酸化を阻害することでT細胞増殖を抑制し、免疫抑制作用を発揮する。
抗がん剤としてのエベロリムス(商品名:アフィニトール(R))は、前述のmTORを阻害するが、mTORタンパクは細胞増殖シグナルや血管発育シグナルを仲介するため、阻害によって抗がん作用が期待できる。すなわちmTORは、PI3K/Akt/mTORの伝達経路の構成要素で、PI3K/Akt の下流に位置し、がん患者ではその経路に制御異常が認められことがある。エベロリムスはその部分をターゲットとして腫瘍細胞のシグナル伝達を阻害し、腫瘍細胞の増殖を抑制する。さらに、血管内皮増殖因子(VEGF)の産生を阻害し、血管内皮細胞の増殖を抑えることで間接的な抗腫瘍効果も発揮する。本剤は抗菌薬、抗てんかん薬、睡眠薬など多くの薬剤との相互作用が知られ、CYP3A4など薬剤代謝酵素誘導作用によって代謝が促進されるため、血中濃度測定で適正にコントロールすることが望まれる。
また、高脂肪食摂取が本剤の薬物動態に影響を与え、Cmax(薬物投与後に得られる最高血中濃度)の低下が認められる。このため、食後または空腹時の一定の条件で服用して血中濃度を測定し、投与量を調節する必要がある。なお、免疫抑制剤として使用する際には、シクロスポリンのマイクロエマルジョン製剤(商品名:ネオーラル(R))との同時投与が推奨されている。空腹時の健康成人に本剤2mgを単回経口投与した際の体内動態は、Cmax : 17.9±5.9ng/mL、Tmax : 0.5(0.50~2.0)時間、T1/2 : 31.5±6.4時間とされている。(Tmaxは中央値および括弧内は範囲(インタビューフォームによる)
2.禁忌
本剤の成分またはシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者。妊婦または妊娠している可能性のある女性。
3.採血時期
次回投与直前(トラフ)
【主に用いられる疾患】
移植臓器及び組織の不全及び拒絶反応
【副作用】
重症感染症,白血球減少症,腎障害
関連疾患
T86:移植臓器及び組織の不全及び拒絶反応 → T80-T88:移植関連の疾患
B99.3:重症感染症 → B99-B99:感染症
D70.13:白血球減少症 → D70-D77:その他の血液疾患
N28.9.5:腎障害 → N25-N29:その他の腎・尿管の疾患
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.