染色体のCバンド領域を特異的に染め分け、腕間逆位やdicentric X染色体の動原体の判定を行う検査。

　患者から採取したリンパ球を用いて、染色体の異常を調べる検査である。

　Cバンド分染法は、染色体のうち異質染色質（heterochromatin）や動原体の部分を染め出す一種の分染法である。

　Cバンドの名称は、constitutive heterochromatinのconstitutiveのCに由来する。すなわち、セントロメア（動原体）領域にある異質染色質、および、1番、9番、16番染色体の二次狭窄部や、Y染色体長腕にある大きな異質染色質を同時に分染する染色法である。この領域には、特定の配列を持った反復配列が局在しており、動原体領域には171pbを反復単位としたアルホイド配列が、Y染色体長腕には3,400pbを反復単位とする反復配列が存在する。

　1番、9番、16番およびY染色体の異質染色質の大きさには、個人差（多型）が観察されるが、疾患との直接的関連性はないとされる。染色体構造異常のうち、9番染色体の異質染色質を含む領域の、腕間逆位の判定には、Cバンド法分染が有効である。

　二つの動原体をもつ染色体では、一つの動原体は機能を有し、もう一つは機能を失った動原体であるが、本検査ではそれぞれがどこに存在するかを決めることができる。

【異常を示す疾患】

悪性腫瘍，非ホジキンリンパ腫，急性骨髄性白血病，慢性骨髄性白血病，染色体異常