WEB総合検査案内 掲載内容は、2025 年 4 月 1 日時点の情報です。
項目 コード |
検査項目 | 採取量(mL)
遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 | 基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
06857 |
トータルPAI-1 (t-PAI-1)plasminogen activator inhibitor 12B310-0000-022-062 |
遠心
|
15 ↓
02 |
2週 凍 |
ラテックス凝集法 | ng/mL 50 以下 |
包括240 D006 33 血液 |
2~5日 |
項目 コード |
検査項目 |
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06857 |
トータルPAI-1 (t-PAI-1)plasminogen activator inhibitor 12B310-0000-022-062 |
採取量(mL) 遠心 提出量(mL) |
容器 | 安定性 保存 方法 |
検査方法 |
---|---|---|---|
遠心
|
15 ↓
02 |
2週 凍 |
ラテックス凝集法 |
基準値 (単位) |
実施料 診療報酬区分 判断料区分 |
所要 日数 |
---|---|---|
ng/mL 50 以下 |
包括240 D006 33 血液 |
2~5日 |
備考
検体
- 必ず血漿分離の上、ご提出ください。
- 検体提出(容器番号 02番)は、4mL容器をご使用ください。
- 3.2%クエン酸ナトリウム液0.2mL入り容器に血液1.8mLを正確に入れ、全量2.0mLにしてよく混和後、1,500×g、15分間遠心分離し、血漿を凍結してご提出ください(遠心力の換算表チャート、およびCLSI/NCCLSドキュメントH21-A5参照)。
- チャート参照:出血凝固検査において、多項目同時依頼の際の必要血漿量は、[0.40 + (0.10 x 依頼項目数)]mLが目安となります。
参考
- 総合検査依頼書のマークチェックで依頼可能な項目です。
診療報酬
- 保険名称:出血・凝固検査/tPA・PAI-1複合体
- 実施料:包括240
- 診療報酬区分:D006 33
- 判断料区分:血液学的検査
チャート


容器
参考文献
曽我部万紀, 他: 医学のあゆみ 173, 12, 1995.
Madoiwa, S. et al.: Int. J. Hematol. 84, 398, 2006.
検査項目解説
臨床的意義
プラスミノーゲンアクチベーターと結合して線溶系を抑制する糖蛋白。血管内皮を傷害する血栓症、DICで上昇。
PAI-1は分子量約50,000、アミノ酸379個からなる糖タンパクである。主たる機能は線溶系の阻害にあり、組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)という酵素を阻害することである。T-PAは、活性中心にセリンを持つタンパク融解酵素(セリンプロテアーゼ)であり、主に血管内皮で産生され、血栓を溶解する主役であるプラスミンの産生を担っている。
線溶系の暴走は止血障害をもたらすため、これを制御する役割をPAI-1は担っている。すなわちPAI-1は、t-PAと特異的に1:1結合し、複合体(t-PA・PAI-1)を形成することでt-PAを失活させ、線溶系を抑制する。
PAI-1は血管内皮細胞や脂肪細胞、骨髄巨核球などで産生され、血小板に貯蔵される。
出血で血小板が活性化されると、PAI-1は血中に放出され、t-PAと不可逆的に結合してt-PAを失活させ、プラスミン生成を抑制することで、アンチプラスミン(α2-PI)とともに線溶系を抑制する。なお、tPAの95%以上はt-PA・PAI-1複合体になっており、ほとんどが中和されて存在しているという。
本検査ではt-PA・PAI-1複合体を含めたPAI-1の総量が測定される。血中でのPAI-1濃度の上昇は線溶活性が低いことを意味し、裏を返せば血栓が出来やすい状態を意味する。
α2-PIやプラスミノーゲンの血中濃度は、通常ほぼ一定に調節されている。これに対しPAI-1の血中濃度は病態によっては100倍以上と振れ幅が大きいため、敗血症やDICの病勢評価に活用される。なお、PAI-1には日内変動があり、早朝高く、夕方から夜にかけて半分以下に低下するという特徴がある。よって採血時間を一定に保つ(原則として早朝空腹時)とともに、血小板を刺激しないよう採血や血漿分離は静かに行う。
【高値を示す疾患】
敗血症,播種性血管内凝固,2型糖尿病,深部静脈血栓症,肝疾患,血栓性血小板減少性紫斑病,妊娠
関連疾患
A41.9.3:敗血症 → A30-A49:細菌性疾患
D65.8:播種性血管内凝固 → D65-D69:凝固障害
E11.91:2型糖尿病 → E10-E14:糖尿病
I80.2.4:深部静脈血栓症 → I80-I89:静脈・リンパ管・リンパ節の疾患
K70-K77:肝疾患 → K70-K77:肝疾患
M31.1.1:血栓性血小板減少性紫斑病 → M30-M36:全身性結合組織疾患
Z33.1:妊娠 → Z30-Z39:妊娠による影響
※ ICD10第2階層コードでグルーピングした検査項目の一覧ページを表示します.