検査項目解説 掲載内容は、2023 年 5 月 1 日時点の情報です。
慢性肝炎(経過観察)
項目コード | 検査項目 | 分類 | 実施料 判断科区分 |
所要日数 |
---|---|---|---|---|
00021 |
総蛋白 (TP)栄養状態と肝・腎機能の指標。肝硬変やネフローゼによる低蛋白血症で低下し、脱水や多発性骨髄腫などで上昇。 |
生化学検査 蛋白 |
包括11 生Ⅰ |
1~2日 |
00115 |
(更新テスト)アルブミン (Alb)<改良BCP法>肝臓で合成される血中の主たる輸送体蛋白。栄養状態の悪化や肝障害の程度を反映して低下する。 |
生化学検査 蛋白 |
包括11 生Ⅰ |
1~2日 |
00001 |
総ビリルビン (T-BIL)ヘモグロビンやポルフィリン体の分解産物。総ビリルビンとその分画は、肝疾患の診断、黄疸の鑑別に有用。 |
生化学検査 生体色素 |
包括11 生Ⅰ |
1~2日 |
00002 |
直接ビリルビン (D-BIL)肝でグルクロン酸抱合を受けたビリルビン。総ビリルビンとともに、肝疾患の診断、黄疸の鑑別などに重要な検査。 |
生化学検査 生体色素 |
包括11 生Ⅰ |
1~2日 |
00009 |
AST (GOT)代表的な肝機能の指標。肝細胞障害で血中に逸脱するが、骨格筋、心筋、赤血球などの破壊でも上昇をみる。 |
生化学検査 酵素 |
包括17 生Ⅰ |
1~2日 |
20136 |
LD(LDH) (乳酸脱水素酵素)ほとんどの組織や臓器に分布する酵素。貧血、炎症、腫瘍など汎用的なスクリーニング検査として用いられる。 |
生化学検査 酵素 |
包括11 生Ⅰ |
1~2日 |
20135 |
ALP (アルカリフォスファターゼ)肝障害、胆汁うっ滞や骨疾患、妊娠等で上昇を示す酵素。血液型がB型、O型の人はやや高め。 |
生化学検査 酵素 |
包括11 生Ⅰ |
1~2日 |
00015 |
LAP (ロイシンアミノペプチダーゼ)さまざまな臓器や胆汁中に広く分布する加水分解酵素。黄疸の鑑別や肝・胆道系疾患の診断、経過観察などに用いられる。 |
生化学検査 酵素 |
包括11 生Ⅰ |
1~2日 |
00013 |
γ-GT(γ-GTP) (γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)肝・胆道系障害のスクリーニングに用いられる検査。肝ミクロゾームでの薬物代謝に関与する酵素で、胆汁うっ滞や、アルコール性、薬剤性肝障害で上昇する。 |
生化学検査 酵素 |
包括11 生Ⅰ |
1~2日 |
00014 |
コリンエステラーゼ (ChE,Ch-E)コリンエステルをコリンと有機酸に加水分解する酵素。主に肝疾患により低下し、有機リン剤による中毒でも低値をとる。 |
生化学検査 酵素 |
包括11 生Ⅰ |
1~2日 |
27629 |
グアナーゼ肝疾患のスクリーニング検査。肝炎の急性増悪期でASTやALTに先立って上昇し、より高値を保つ。 |
生化学検査 酵素 |
35 生Ⅰ |
4~5日 |
00184 |
アデノシンデアミナーゼ (ADA) 〈血清〉核酸の代謝酵素。血中濃度は免疫不全症で低値、血液系悪性腫瘍や肝炎で高値。胸水では癌性胸膜炎や心不全と比べ結核性胸膜炎でより高値に。 |
生化学検査 酵素 |
32 生Ⅰ |
2~3日 |
00056 |
LDHアイソザイムLDH高値の際に由来臓器を推定する検査。サブユニット欠損症では特定のアイソザイムが異常低値に。 |
生化学検査 アイソザイム |
48 生Ⅰ |
2~3日 |
06945 |
ALPアイソザイムALP総活性が異常高値の場合、由来臓器の推定に用いられる検査。健常成人では2型、小児は3型が主体。 |
生化学検査 アイソザイム |
48 生Ⅰ |
2~3日 |
00079 |
m-AST (m-GOT)(ミトコンドリア-GOT)ミトコンドリア由来のAST。通常のASTと異なり、壊死を伴う肝細胞障害があると初めて血中で上昇する。 |
生化学検査 アイソザイム |
49 生Ⅰ |
2~3日 |
00034 |
血中アンモニア (NH3)劇症肝炎・肝硬変にともなう肝性昏睡の病態把握に必須の検査。 |
生化学検査 低分子窒素化合物 |
50 生Ⅰ |
2~3日 |
05383 |
総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比 (BTR)肝疾患におけるアミノ酸代謝異常の重症度を判定する検査。フィッシャー比を簡便に測定するもので、肝性脳症で低値に。 |
生化学検査 低分子窒素化合物 |
283 生Ⅱ |
2~3日 |
04227 |
ヒアルロン酸水分や電解質の保持と抗凝固作用を担う酸性ムコ多糖体。肝硬変や関節リウマチの進行度把握に有用。 |
生化学検査 糖・有機酸 |
179 生Ⅰ |
1~2日 |
05186 |
ケトン体分画 〈動脈血〉脂肪酸の分解産物。静脈血中では糖尿病の重症化に伴うケトアシドーシスで高値。動脈血ではケトン体比により肝機能の指標に。 |
生化学検査 糖・有機酸 |
59 生Ⅰ |
2~3日 |
00270 |
総胆汁酸 (TBA) 〈血清〉肝細胞で特異的に産生されるため、肝・胆道疾患に特異的なマーカー。 |
生化学検査 脂質 |
47 生Ⅰ |
1~2日 |
00037 |
ICG肝機能や肝予備能を知るための色素負荷試験。肝機能が低下するほどR15(15分血中停滞率)は高値に。 |
生化学検査 その他 |
管理料[100] |
2~3日 |
01840 |
αフェトプロテイン (AFP)肝細胞癌で上昇する、本来は胎児肝細胞由来の血清腫瘍マーカー。肝炎や肝硬変でも軽度~中等度に上昇をみる。 |
腫瘍関連検査 腫瘍関連検査 |
包括101 生Ⅱ |
2~3日 |
27710 |
AFPレクチン分画肝細胞癌由来AFPを分別測定することで、肝細胞癌と肝硬変等とを鑑別する検査。肝細胞癌の早期診断と予後管理に有用。 |
腫瘍関連検査 腫瘍関連検査 |
包括190 生Ⅱ |
3~4日 |
09782 |
IgG-HA抗体A型肝炎ウイルス感染の既往と病態把握のための検査。初感染の診断には IgM-HA抗体。 |
ウイルス学検査 肝炎ウイルス関連検査 |
包括146 免疫 |
2~3日 |
09785 |
IgM-HA抗体A型肝炎ウイルス感染の既往と病態把握のための検査。初感染の診断には IgM-HA抗体。 |
ウイルス学検査 肝炎ウイルス関連検査 |
包括146 免疫 |
2~3日 |
01391 |
HBs抗原B型肝炎ウイルス外被の表面抗原。HBs抗原陽性は現在のウイルスの感染を、抗体陽性は過去の感染既往を意味する。 |
ウイルス学検査 肝炎ウイルス関連検査 |
包括88 免疫 |
2~3日 |
00229 |
HBs抗体 《凝集法》B型肝炎ウイルス外被の表面抗原。HBs抗原陽性は現在のウイルスの感染を、抗体陽性は過去の感染既往を意味する。 |
ウイルス学検査 肝炎ウイルス関連検査 |
32 免疫 |
2~4日 |
01530 |
HBs抗体 《CLIA》B型肝炎ウイルス外被の表面抗原。HBs抗原陽性は現在のウイルスの感染を、抗体陽性は過去の感染既往を意味する。 |
ウイルス学検査 肝炎ウイルス関連検査 |
包括88 免疫 |
2~3日 |
02232 |
HBe抗原HBe抗原はB型肝炎ウイルスの感染性の指標。HBe抗体は病態沈静化の指標だが、変異株の場合はウイルス消失を意味しない。 |
ウイルス学検査 肝炎ウイルス関連検査 |
包括101 免疫 |
2~3日 |
02235 |
HBe抗体HBe抗原はB型肝炎ウイルスの感染性の指標。HBe抗体は病態沈静化の指標だが、変異株の場合はウイルス消失を意味しない。 |
ウイルス学検査 肝炎ウイルス関連検査 |
包括101 免疫 |
2~3日 |
01874 |
HBc抗体 《凝集法》B型肝炎ウイルスのコア蛋白に対する抗体。感染早期より出現し長期間陽性。キャリアは特に高値。IgM-HBc抗体は感染初期のみ出現。 |
ウイルス学検査 肝炎ウイルス関連検査 |
包括133 免疫 |
3~5日 |
08141 |
HBc抗体 《CLIA》B型肝炎ウイルスのコア蛋白に対する抗体。感染早期より出現し長期間陽性。キャリアは特に高値。IgM-HBc抗体は感染初期のみ出現。 |
ウイルス学検査 肝炎ウイルス関連検査 |
包括133 免疫 |
2~3日 |
02238 |
IgM-HBc抗体B型肝炎ウイルスのコア蛋白に対する抗体。感染早期より出現し長期間陽性。キャリアは特に高値。IgM-HBc抗体は感染初期のみ出現。 |
ウイルス学検査 肝炎ウイルス関連検査 |
包括146 免疫 |
2~3日 |
26995 |
HBV-DNA定量 《TaqManPCR法》血中のB型肝炎ウイルスの遺伝子量を、TaqManPCRで迅速・高感度に定量する検査。とくに治療中の再燃検出に有効。 |
ウイルス学検査 肝炎ウイルス関連検査 |
263 微生 |
3~4日 |
02491 |
HCV抗体-ⅡHCV感染のスクリーニングに広く用いられる検査。第一世代より感度が高く、感染後、早期に陽性となる。 |
ウイルス学検査 肝炎ウイルス関連検査 |
包括105 免疫 |
2~3日 |
09788 |
HCV抗体-Ⅲ第二世代のHCV抗体アッセイ系にNS5領域をプラス。スクリーニング目的での有用性は第二世代とほぼ同等。 |
ウイルス学検査 肝炎ウイルス関連検査 |
包括105 免疫 |
2~3日 |
08896 |
HCVコア抗原C型肝炎ウイルス抗原を定量する検査。高感度な上、ウイルス核酸検出より安価のため、治療効果の追跡に有用。 |
ウイルス学検査 肝炎ウイルス関連検査 |
包括105 免疫 |
2~3日 |
08937 |
HCV-RNA定量 《TaqManPCR法》PCR法を用いてHCVのRNA量を定量する検査。検出感度が高く、感染の診断やモニタリングに用いられる。 |
ウイルス学検査 肝炎ウイルス関連検査 |
424 微生 |
3~4日 |
00152 |
CRP 《定性》代表的な急性相反応物質。炎症性疾患や体内組織の崩壊がある場合に血中で増加し、炎症マーカーとして用いられる。 |
免疫血清学検査 蛋白 |
16 免疫 |
1~2日 |
00201 |
CRP 《定量》代表的な急性相反応物質。炎症性疾患や体内組織の崩壊がある場合に血中で増加し、炎症マーカーとして用いられる。 |
免疫血清学検査 蛋白 |
16 免疫 |
1~2日 |
02921 |
プロコラーゲンⅢペプチド (P-Ⅲ-P)コラーゲンが生成される際、プロコラーゲンから遊離するペプチド。肝炎から肝硬変への進展時に、肝臓の線維化を示す指標。 |
免疫血清学検査 蛋白 |
136 生Ⅰ |
3~5日 |
00234 |
IgAIgGに次ぎ高濃度で血中に存在する免疫グロブリン。2つのサブクラスに分類され、二量体の分泌型IgAは局所免疫を担う。 |
免疫血清学検査 免疫グロブリン |
38 免疫 |
1~2日 |
00236 |
IgM免疫グロブリン中、最大の分子量をもち、感染症で最も早期に増加する抗体。 |
免疫血清学検査 免疫グロブリン |
38 免疫 |
1~2日 |
00503 |
ヘモグロビン (Hb)血液中の血色素であるヘモグロビン量を測定する検査。貧血等の血液疾患のスクリーニング検査として用いられる。 |
血液学検査 血球計数 |
21 血液 |
1~2日 |
00554 |
血小板数 (PLT)止血機構の中心を担う血球成分。自己抗体やDICなどによる消費の亢進、骨髄疾患や肝硬変で減少をみる。 |
血液学検査 血球計数 |
21 血液 |
1~2日 |
07934 |
プロトロンビン時間 (PT)外因系の凝固活性を総合的に判定するスクリーニング検査。肝不全、凝固因子欠乏症で遅延し、血栓性静脈炎で短縮する。 |
血液学検査 出血凝固検査 |
18 血液 |
2~3日 |
00556 |
活性化部分トロンボプラスチン時間 (APTT)内因性凝固活性の指標。PTとともに出血性素因の疑われる患者でスクリーニングに用いられる。血友病で延長する。 |
血液学検査 出血凝固検査 |
29 血液 |
2~3日 |
00559 |
フィブリノーゲン (FIB)血栓を形成するフィブリンの前駆体。炎症で増加し、高度な肝機能障害、DIC等では減少する。 |
血液学検査 出血凝固検査 |
23 血液 |
2~3日 |
00572 |
アンチトロンビン活性 (AT)凝固亢進状態を把握する有用な検査。DICで著しく減少する。 |
血液学検査 出血凝固検査 |
70 血液 |
2~3日 |
00574 |
アンチプラスミン活性 (α2PI)(α2プラスミンインヒビター)線溶系活性度の指標。プラスミンと血中で特異的に結合し、線溶系を抑制する蛋白。 |
血液学検査 出血凝固検査 |
包括128 血液 |
2~3日 |
03642 |
α2プラスミンインヒビター・プラスミン複合体 (PIC)測定の難しい血中プラスミンの動きを直接的に反映する指標。血栓溶解療法のモニタリングやDICの診断に有用。 |
血液学検査 出血凝固検査 |
包括154 血液 |
2~3日 |
01131 |
フォン・ウィルブランド因子定量 (第Ⅷ因子様抗原)止血機構および凝固亢進調節にかかわる高分子蛋白の定量測定。von Willebrand病では減少する。 |
血液学検査 出血凝固検査 |
包括147 血液 |
2~5日 |
04686 |
フォン・ウィルブランド因子活性 (リストセチンコファクター)凝固第Ⅷ因子のキャリアー蛋白。凝固および血小板機能調節にかかわり、von Willebrand病で低下、ネフローゼで活性が上昇する。 |
血液学検査 出血凝固検査 |
包括129 血液 |
2~5日 |
01340 |
第Ⅱ因子活性 (F2)プロトロンビンとも呼ばれるトロンビンの前駆物質。先天性異常による欠乏症のほか、ビタミンKの不足時に低下する。 |
血液学検査 出血凝固検査 |
包括223 血液 |
2~5日 |
01656 |
第Ⅴ因子活性 (F5)内因系と外因系凝固反応にかかわる凝固因子で、プロトロンビンをCaの存在下で活性化する蛋白。DIC、重症肝疾患で低値となる。 |
血液学検査 出血凝固検査 |
包括223 血液 |
2~5日 |
01676 |
第Ⅶ因子活性 (F7)外因系の凝固過程において組織トロンボプラスチン、第Ⅹ因子を活性化する糖蛋白。ビタミンK依存性のため、ビタミンK欠乏症で低値に。 |
血液学検査 出血凝固検査 |
包括223 血液 |
2~5日 |
00598 |
第Ⅸ因子活性 (F9)内因系の凝固機序に関与するビタミンK依存の凝固因子。代表的な欠乏症として血友病Bが知られている。 |
血液学検査 出血凝固検査 |
包括223 血液 |
2~5日 |
01677 |
第Ⅹ因子活性 (F10)内因系・外因系両方の凝固反応にかかわるビタミンK依存性の凝固因子。出血傾向および血栓傾向を知るための指標。 |
血液学検査 出血凝固検査 |
包括223 血液 |
2~5日 |
01678 |
第ⅩⅠ因子活性 (F11)内因性凝固の初期段階に関与する因子。第XI因子欠乏症および保因者の診断や、DIC、肝硬変等で出血傾向の指標となる。 |
血液学検査 出血凝固検査 |
包括223 血液 |
2~5日 |
01679 |
第ⅩⅡ因子活性 (F12)凝固系機序の最も初期の段階に関連する凝固因子。PT正常、APTT異常で出血傾向がない場合、第ⅩⅡ因子欠乏を疑う。 |
血液学検査 出血凝固検査 |
包括223 血液 |
2~5日 |
01680 |
第ⅩⅢ因子定量 (F13)凝固系機序の最終段階で働く因子。フィブリン安定化因子とも呼ばれ、出血性素因のスクリーニング検査として用いられる。 |
血液学検査 出血凝固検査 |
包括223 血液 |
2~5日 |
00610 |
尿中一般物質定性半定量検査 ビリルビン定性黄疸を伴う肝・胆管疾患のスクリーニング検査。尿を直射日光下に放置すると分解され陰性となるので注意。 |
一般臨床検査 尿検査 |
1~2日 |
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00609 |
尿中一般物質定性半定量検査 ウロビリノーゲン定性ビリルビンの代謝産物。健常人の尿中では通常(±)。肝疾患や溶血性貧血で陽性になる。 |
一般臨床検査 尿検査 |
1~2日 |
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00792 |
蛋白定量[腹水・胸水・穿刺液検査]腹水・胸水などの穿刺液中の蛋白量を測定することにより、浸出液か漏出液かを判定。 |
一般臨床検査 腹水・胸水・穿刺液検査 |
包括11 生Ⅰ |
2~3日 |